オーダーマリッジリング 打合せ・製作風景
〜大阪府 S様〜
マリッジリング仕様 | |
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素材 |
PT900 |
ダイヤ (総カラット数) |
ホワイトダイヤ ―D0.01ct…1石、D0.014ct…1石、
D0.02ct…1石 (総カラット数/D0.044ct) |
内側誕生石 |
ガーネット アクアマリン (0.02ct…2石) |
製作期間 |
デザイン決定から約2ヶ月 (最初の打ち合わせより3ヶ月) |
1.お問い合わせ〜打合せ編
大阪にお住まいのS様はマイクロジュエリーのホームページをご覧になって頂き、 お問合せ→メールフォームから"打ち合わせ予約"でお問い合わせされました。
予約当日、京都と奈良の近郊、木津川市州見台にあるアトリエにて打ち合わせ。 (※完全予約制、駐車場有) 当日、お席について頂き、コーヒーをお飲み頂きながら、挙式日のご予定や 結婚指輪(マリッジリング)のフルオーダーデザインについてご希望をお聞きすると・・・
@彼女様がお手持ちの婚約指輪(エンゲージリング)とセットで着けれる Aアームは婚約指輪(エンゲージリング)に合うウェーブライン Bお二人の好きな"夏の雲"、彼女様のリングに"星"モチーフを取り入れたい C出来れば、"彫り"の入ったマリッジリングが良い D彼女様のリングの表面にダイヤを少し入れ、 リングの内側にはお互いの誕生石とお名前と挙式日を入れたい |
ということでした。
その場で"リングのサイズ"を計り、指輪のアームがストレートかウェーブが良いか? 幅や厚みのご希望をお聞きし、おすすめの形をご提案し、ご希望のイメージを絞りました。 ―出来ればデザインに対するご希望をお客様の気に入る形で全て盛り込みたい と思ったのでその結果、 いろいろと"良い"と思うデザインをラフデザインさせてもらい、 後日ご自宅へデザイン画(紙媒体)を郵送させていただくことになりました。
2.デザイン〜製作編
ここからは、お客様とやりとりを繰り返し、理想のデザインを決定する。 "オーダーマリッジリング ―デザインの流れ"の一例としてご紹介させていただきます。
打合せ当日、彼女様よりお手持ちのエンゲージリング(婚約指輪)とセットで着けれるマリッジリング(結婚指輪)が作りたいとの事でしたので、一度エンゲージリング(婚約指輪)をお預かりさせて頂き、それにあわせてデザインし、後日返却させて頂く事になりました。 ←お預かりしたのは、ブルーダイヤのメレが3石入った、ウェーブラインの5本爪プラチナエンゲージリング(婚約指輪)
まずは指輪のアウトラインの決定から。
エンゲージリングを正確に描写し、それに合いそうな様々なウェーブラインタイプのマリッジリングのアウトラインをご提示、その中からお客様の好きなアウトラインがあるかご覧頂くことにしました。
彼女様曰く、お手持ちのエンゲージリングに・・・ 「どんなのが合うかイメージが分からない。」 ということでしたので、 ―とにかくいろいろ見てイメージを固めてもらおう と、数十種類のいろいろなアウトラインをご提示し、 おすすめのリングデザインに☆マークを付けてご郵送。
その中から一つのアウトラインをとても気に入って頂き、アウトラインが決定。
そして、アウトライン以外の指輪デザインに関するご希望として、
@"入道雲"は"彫り"でふんわりおおらかなラインで入れる A"星"はダイヤのお好みの留め方を選んで頂く Bそこへもう一工夫、"雲"から"星"へと綺麗なラインで"風"を彫りで表現する
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事に決定。
そして幾度かメールの画像にてデザインをご提示しながら、細部の打ち合わせを繰り返し・・・
最終的に決定されたデザインがこちら ※彫りが分かり易いよう展開図を使用
リングアームは∞(無限大)の形で、上下切り返しに光沢のある面をつけて、 彫りの下地大部分を占める"ツヤ消し"とのコントラストをつけることに決定。
これが正面図。 薬指外側の星(ダイヤ)へと、 "雲"を表す彫りの部分から吹く"風"。 これも有機的なカーブラインを"彫り" で表現することに致しました。
全体的にはなだらかな幅広の甲丸。 切り返しはビシッと面にしてシャープに。 彫り下の地金部分は"つや消し"、 切り返しを"光沢"とすることで、 リングの"形状"と"テクスチャー"の 両方がコントラストの利いたデザインに。
今回は微妙なカーブラインを表現する為、 マリッジリングのワックスパターンを ハンドメイドで製作。 他の方法として、鍛造・NC切削・光造形などが ありますが、今回は自然がモチーフなので、柔らかみ の出る、"ハンドメイドでのワックスの削りだし"を選択。
エンゲージリングのラインに合せ、デザイン画の寸法に沿い、一番綺麗に感じる形に削っていきます。 今回は打合せ時のお客様との総意で、あえてピッタリとラインが重なるようにはせず、空気感を作るために、あえて流れに沿った微妙なスキマをつくることになりました。
ワックスパターンの仕上がりをご覧いただき、 途中了解を得て、プラチナにキャスト。
地金にしたところでアウトラインを精密に仕上、 これから表面仕上げとテクスチャー入れになります。
今回は幅広のボリューミーな∞形の甲丸がベースです。 サイドに切り返し面を作り、面以外全体をつや消しに。 そのつや消しぶぶんに 『
"雲"と"風"の彫り
』と、 『"星"を表現した"メレダイヤ"』を石留めします。
サイズについて・・・ 当店はハーフサイズ(0.5)サイズ刻みで 通常より細かく対応しおつくり致しております。
今回は7.5号と13.5号です 指なじみ(指に接地するところ)の断面をまるく作る"内甲丸"でお作りしておりますので、ものすごく着け心地が良いですよ^^
アウトライン(外形)完成
―甲丸だけど甲丸じゃない、有りそうで無いリング。―
途中経過を確認していただいた際はS様に大変気に入っていただけました。
次は、リング内側に誕生石を入れます。
(彼女様の誕生石:1月のガーネット)と・・・ 彼氏様の誕生石:3月のアクアマリン)をそれぞれ石留めし、お互いお名前と挙式日をお好きな自体を選んで レーザー刻印。(今回は筆記体のARMEDフォント)
素敵ですね^^思い出やお守り的な意味も有り、 個人的にはとってもオススメです。 ※他にはサムシングブルー(ヨーロッパで古くから伝わる、結婚した際に何か青いものを着用すると幸せに暮らせるという言伝え)に因んで青い石(ブルーダイヤやアイスブルーダイヤ、ブルーサファイア等)を入れるのもオススメです
次に艶消しを入れ、表面に"雲と風の彫り"と"星を表すダイヤの石留め"を施す。
彫りの輝くラインで、綺麗に風を表現する事が出来ました。
メレダイヤ(小粒ダイヤ)の大きさをグラデーション(徐々に小→大)で入れているので流れをそこないません。
入道雲の彫りもおおらかな感じで入れる事が出来ました。
これにてようやく完成!!
お二人の想いの籠もった・・・ 世界でたった一つの結婚指輪(マリッジリング)ができました。
左前、メレダイヤの微妙な大きさの違い、 お分かりいただけますでしょうか?
些細なちがいですが、 これが同じ大きさだとやぼったくなります。
流れのある着物柄を背景に・・・ 和も感じさせるデザインなので和服にもピッタリです~~
入道雲から心地よい風が吹いているように見えますでしょうか?
"星に見立てたダイヤの輝き"が華やかさを演出。
そしてケースにいれていよいよご納品。
今回はお客様がご指定された場所でご納品となりました。
(※ご指定の場所でのご納品は応相談)
他には郵送やアトリエでの直接お渡しも承っております。
"リング斜め上下の切り返し面"と、"彫りの光沢"と、"彫り下の地金部分のつや消し"の《コントラスト》が非常に良い効果を生んで、格好よく出来ました。
デザイナーとしても納得のいく、気持ちの込もった結婚指輪(マリッジリング)が出来たとおもいます。
他にはない形、絵柄をうまくリングにいれれたのではないかとおもいます。
式はチャペル式ということでなので、こちらのウェディングベア付きの可愛いリングケースでご納品。
このケースをとても気に入っていただけ、挙式当日の指輪交換際にはこちらをリングピローの代わりに使っていただいたそうです。~~
その後Sさまに気に入った旨のお電話をいただき、挙式後、お喜びのお手紙を頂きました。^^
※了解を得て公開させていただいております。
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